No.204
夫が本気で恋愛してしまいました。家族の元へ戻ってくれたのですが、
未だに忘れられない様子。苦しい毎日です
K・Sさん(36歳) 夫 子供ふたり
2005.11.9

 夫が本気の恋をしました。私たちは、高校の同級生で2年生から付き合い始め、6年付き合って結婚し、今年で12年目を迎えました。共働きで、子どもは男の子2人(5年生と2年生)です。事実がわかったのは、9月の半ばです。
 100%信じていたから、言葉では言い表せないほどのショックでした。夫はとても正直で不器用な人。だから浮気なんてできないんです。だから、知ったとき、すぐにわかりました。本気なんだと……。
 夫は6年前に自分で建築関係の事業を起こしてがんばっています。サラリーマン時代にはできなかった勉強ができると精力的にいろいろな勉強会にでかけ、自分に磨きをかけようとしています。私も始めは、「やっとやりたいことができるようになった。いっぱい勉強させてあげたい」と思っていました。今もその気持ちは変わっていません。

 でも、実際は、仕事が忙しくて帰宅できないことや、勉強会ではあちこちに出かけているので家族と過ごすことができないことに、いつも不満をあらわにしていました。とても不機嫌な顔をし、イライラした態度で振舞って……。夫にとっては、気持ちが休まる家庭ではありませんでした。本当に私が悪かったです。そんな夫の辛い気持ちや、仕事のことを理解してくれたのが相手の女性で、出会ったのは5月下旬、仲間同士で何回か会い、その後、夏の間に4回、2人きりで会ったようです。関係は持たなかったらしいのですが……。
 相手の女性は、仕事で知り合った人。私など比べ物にならないほど夫の仕事を理解してあげられるし、気持ちも私なんかより大きい人のようです。夫は以前から東京に出て仕事がしたいという希望をもっていて、その女性と一緒になれば、「東京で仕事ができる」と、家族を捨てる決心をしていたようです。
 私は事実を知ったとき、取り乱し、感情のままに行動してしまいました。彼女にも電話をかけ、夫にもひどく詰め寄り……。こういうことが夫は一番嫌いなのですが、どうしようもなかったのです。夫を取られたくなかったから。夫の心が私の方を全く向いていないことをわかりながら、2人の子どものためにも元に戻ろうと一生懸命、夫に話しました。正直な夫は、「彼女を愛しちゃった」、「そんなにすぐには変われない」、「元に戻れるか、わからない」と言います。本気の恋、愛だから、そうなのだろうと思っています。結果は、2人の子どもや、実家の両親の説得もあり、夫は彼女との関係を絶つと言いました。電話やメールは私が無理やり切らせた感じです。
 ところが、彼女が追いかけてきてしまい、今度は夫が「家族を守る」気持ちで話をつけに行き、結局、彼女が「私が身をひけば……」と、とてもきれいに別れてくれて、だからかえって思いが募っているようです。夫は帰って来てはくれたのですが、右手の小指には彼女からもらったという指輪をしていて、「これはお守りだ。仕事の神さまみたいなものだ。おまえには、わかっていてほしい」と言われました。
 その指輪を見るたび、そういう夫の気持ちも受け止めていかなければ、戻っては来てくれないと思い、苦しい毎日です。夫もとても苦しんでいます。時間が経てば経つほど、愛してしまった彼女への気持ちは大きくなっているようで、本当に気持ちのよりどころだったのだろうと感じます。好きでもない私の所に戻ってきたことも苦しいのでしょう。「彼女にも、私にも悪いことをした」と、自分を責め、涙ぐむ夫を見るのも切ないです。
 今、私は今までの自分を本当に反省して、自分でできることを努力していこうと思っています。でも、精神的にとても不安定で、不安ばかりが広がり、泣けて泣けて仕方がないことがあります。夫はそんな様子を見て、自分自身も精一杯なのに、帰宅する努力をしてくれたり、話せば私の気持ちを聞いてくれたり。素直に「ありがとう」という気持ちなのですが、一方で、私は気持ちにも態度にも一貫性がなく、自分がどうしたらいいのか、全くわかりません。今までと同じように、できるだけ明るく振舞おうと思ってもムリがあり、精神的にとても疲れてしまったりします。ただ一つだけわかっていることは、夫が好きで愛している、別れたくないということだけです。こんな私になにか良いアドバイスがあれば教えていただけませんでしょうか。宜しくお願いいたします。
 
理解した振りをしないで、夫を愛している、別れたくないという
心の叫びに、忠実に行動した方がいいと思います
 高校の同級生ということは、ふたりの一番輝いていた若い日々の時間を思い出として共有しているわけだよね。6年付き合って、結婚して12年、すでに18年の縁になるんだね。

 読んでいて、夫とあなたは、とっても似ているという印象を持ちました。

 とっても理解があるように見えて、実際にやっていることはどうも違うような気がする。あなたは、夫が新しく事業を起こした時に、好きなことをやらせてあげたい、いっぱい勉強もさせてあげたいと思ったのよね。おそらくそのことに嘘はないだろうと思うし、 本当にそう思ったんだろうと思う。でも、実際には忙しくなった夫や、勉強のためにあっちこっちに出かけて行く夫に対しては、不満をいらだちや不機嫌で受けてしまった。それは子供に手がかかる時で大変だったと思うし、孤軍奮闘は寂しかったと思う。でもね、それって相手にとっては困ることでね。

 新しい道を選ぶと、新しい風景が広がる。 それは受け止めなければいけない風景なんだよね。新しい道を選ぶのはいいけれど、道端の景色は今までと同じにして欲しいと言われたら、どうしていいかわからないよね。これってつまり、頭では理解しているつもりなんだけど、感情がついていかないということだと思う。で、相手に伝わるのは感情の部分だけなわけだから、頭では理解しているんだけど……というのはあまり意味がないんだよね。

 相手を理解し、選んだ道を受け入れると決めたら、それに付随して起きる変化も想定内に入れてかかるしかない。つまり腹を括ってかかるってことね。ここのところが、 これまでのあなたに欠けていたところになるよね。

 一方、あなたの夫の方なんだけど、やっぱりあなたと同じように頭で自分が妻子を捨てることはいけないと考えて、彼女と別れてあなたの元に戻ってくるという道を選んだわけなんでしょ。それなら彼女にどんなに心が残っていようが、いくら彼女を傷つけることになろうが、仕事をする上での支えをなくして心細かろうが、心身ともにあなたのところに戻らなければいけないんだよ。あなたのため、子供のためと頭で理解して帰ってきて、小指に彼女からの指輪をして、わかってほしいとあなたに求めるのは、感情の部分で妻子の元に戻る自分を納得できていないってこと。

 相手に対して好きに生きさせてあげたいと言いつつ、自分が満足できるようにも生きて欲しい望みもわかってほしいと求めるのと、似てると思わない?

 ま、ここまでは、“これまでのあなた”ということね。

 じゃ、これからのあなたはどうしたらいいのかなというのが課題になる。

 あなたは、 みんな自分が悪くて、夫が別の女性を好きになるのも致し方ないことで、彼女は夫の仕事を理解してくれる自分よりも大きな人で……と自虐的なまでに反省したり、相手の女性を責めずに認めたりしているけど、これは本心なのかな。何か、 無理に怒りや恨みや不満や生々しい苦しさなどを、きれいごとで隠しているような気がしちゃうんだけど。 そういうことない?

 夫もそうだけど、あなたもまた、人間としての感情を横に置いておいて、頭だけでこの事態をやり過ごそうとしているように思えてしようがないんだよね。

 彼女を心の拠り所にして、日に日に彼女への思いを募らせていて、好きでもない私のところに戻って夫は苦しいのでしょう……なんてアリか? そんな夫の気持ちも受け止めなければなんて、本当に心から思っているのかな。

 もっと正直にならないと、ずっと自分の中で、アタマで考えるきれいな自分とドロドロの感情を抱えた生の自分が分離したままになっちゃう。

 彼女を心の拠り所になんかしてほしくないでしょ。彼女への思いを膨らませるなんて許せないでしょ。夫より自分の方がずっと苦しいって思っているでしょ。私の心を受け止めてほしいって叫んでいるんでしょ。

 あなたが気持ちにも態度にも一貫性がなくて、理性的にはこうするべきと思っていても、逆に出てしまって自分がどうしたらいいのかわからなくなっちゃうのは、あなたがカッコつけちゃうからだよ。多少みっともなくても、プライドがへし折れても、あなたの本気をぶつけていれば一貫性はおのずと出てくる。

 今回のことでわかったのは、あなたが夫を愛していて、絶対別れたくないということなんでしょ。結婚12年目で、はっきりと夫を大好きと言えるなんて、ステキじゃない。ここにあなたの気持ちの重心を乗せればいいんだよ。ナンダカンダ言っても夫は、今、あなたと子供ところに帰ってきたんでしょ。

 うれしいな。 よかったな。子供にもお父さんとのいい時間を作ってあげよう。あなた自身、これまで夫に悪かったなと思うことを倍返しできるチャンスができた。そういうふうに今の状況を思えないかな。とりあえずチャンスボールがあなたのコートにあるってことでしょ。こう考えると、夫があなたを捨てて出て行ったわけじゃないし、 あなたの今の状況は決して暗くないはず。明るく振る舞おうとして失敗しているようだけど、 振る舞おうというのは暗いと思っているわけでしょ。

 暗くなんかない。先は明るいんだよ。頭ではわかっているんだけど、つい不安と不満が出てしまって……というのでは、これまでと同じパターンでしょ。せっかく戻った夫を、またどこかへ追いやってしまうことになるよ。

「よっしゃ、いつか絶対、小指の指輪を自然に外させてやるぞ」というくらいに、夫が好き、子供が好きという気持ちで暮らしていたらいい。

 彼女の方が大きい人なんて卑屈にならず、堂々と気持ちにもっと自信を持って、それに今回の出来事で気づいた自分の反省を有効活用すれば、 いつかきっとあなたの元に戻って大正解だったって夫も思うよ。

 ただ、ひとりで取り組むのが精神的にきつかったら、夫とふたりでカウンセラーに相談して、一緒にこれまでを振り返り、これからを考えるという道もあるからね。