No.208
結婚を前提にお付き合いしたいと思っていた矢先に、
タッチの差で失恋。なかなか彼のことが思い切れません
T・Sさん(34歳)、独身
2005.12.07

 先日、ふられました。というより、約2年間思い続けていた人に告白をしたところ、つい最近、5年前に付き合っていた女性と、よりが戻ったと言われました。私は年齢的に早く子供がほしいと思っていたこともあり、思い切って結婚を前提にお付き合いをしたいということを伝えたいがために、「お相手はいるのでしょうか?」と聞いた返事が、先に書いた通りでした。
 最近、昔の彼女がふられたとかで、「やりなおしてみませんか?」と言った(言ってしまった)のだそうです。それに対して、「そうしてみましょうか」という返事が返ってきたとか……。そのとき彼は「しまった」と、正直思ったそうです。なぜやり直すという言葉を使ったのか聞いてみたのですが、未練があったらしいそうです。私の気持ちがよくわからなかった上に、彼自身がとても臆病で、怖くて、私に気持ちが聞けなかったと言われました。

 私たち二人は「お付き合いしましょう」と正式に約束していたわけではありませんが、この2年間、電話をしたり、遊びにも行きました。お互いにすごく近い距離にありながら、臆病な私たちは、お互いの思いを確かめるきっかけがつかめず今に至ってしまったのですが、そのことが、先日、話をしていてよくわかりました。そう、半年早ければ、いえ、3か月早ければ違った結果になったことでしょう。今彼のほうは、彼女との溝を埋めつつあるところらしく、私は、とても辛いです。時間の流れ、スピード感が合う方をようやく見つけただけに、とてもショックでした。 
 頭では理解しているつもりでも、とても悲しくて、辛くて、悔しくて……。どうやってこの感情を穏やかにすることができるかな、と思ってしまいます。ふと、彼のことが頭の中を過ぎって、こらえきれずに泣いてばかりいます。どうしたらいいのでしょう?
 
今まで行動に移れなかったのは、その程度の思いだったということ。
過去にこだわらず次を目指してください
 あなたと彼との2年間の月日、タッチの差でお互いの気持ちがすれ違ってしまった過程、あなたの現在の悲しさと悔しさに耐えられない日々に、一生懸命寄り添ってみようとがんばるんだけど、どうも輪郭がはっきりしないのよね。

 どうしてなんだろうね。 とにかく今、 あなたはとっても辛くて、 毎日泣いてばかりいるわけで、何とかしなきゃならないし、何とかしようと思っているわけでしょ。

 じゃ、あなたをこんなに落ち込ませてしまった原因は何なんだろうか。

 全身全霊で惚れぬいた彼が、他の女性を愛してしまったという感じでもない。まず、あなたは彼にどのくらい深く惹かれていたのかよくわからない。だって、2年の間、とっても近い距離にいて、いわゆるお付き合いをしているいい感じの二人で、お互いに障害物もなかった。

 でも、あなたが彼に「他に付き合っている人は……」と切り出した決め手は、子供が欲しいということと、子供を持つことから逆算して34歳という年齢で結婚に動き出さねば! ということだったように感じられちゃうのよ。 彼が大好きで、 彼以外の人との結婚は考えられなくて、だからどうしても結婚したいのだ!という燃えるような思いよりは、あなたの人生設計の中で、子供という軸から導き出した、とってもクールな働きかけという印象が伝わってきちゃうのね。

 彼のほうにも、とにかくあなたが好きで、あなたを生涯の伴侶にしたいという強い思いが感じられない。 どんな不器用な人でも、どんな臆病な人でも、溢れ出る激しい思いは必ず相手に伝わるものなんだよね。 相手の本気は、 言葉よりも、むしろ漂う雰囲気やちょっとした態度のほうが雄弁に語ったりする。

 彼は、 きっとあなたからそんな強い思いを感じ取れなかったから、 このままあなたとの関係を続けるより、 彼と別れて空き家になった元の彼女にアプローチしてしまったんじゃないかな。あなたもまた、彼から強いアピールを感じ取れなかったから、34歳という年齢に後押しされて思い切って切り出すしかなかったのかなあ。

 もしかしたら、あなたと彼は似ているのかもしれないね。臆病というのは、相手の出方待ちだったり、 自分が傷つくのが怖かったりという性格的なこともあるけど、臆病にさせるのは「それでもやるしかない!」 と臆病さを乗り越えるパッションがどちらにもなかった。今も、もうちょっと早く言っておけばよかったという後悔はあっても、失いたくなかったという激しさはない。

 だって、あなたから切り出された時に「しまった」と思ったという。この「しまった」って何なんだろう。遅かったという意味なのかな。もっと早く言えばよかったということかな。

 でも、今の状態って、遅くもないし「しまった」という状況でもないわけよ。別に結婚してしまったわけでもないし、やりなおそうかと思っただけなんだから。どっちとやりなおすかの問題でしょ。

 お互いが相手を失うのが怖くてなかなか伝えられなかったという事情と、本当は好きだったという強い気持ちを遅ればせながらではあっても確認したら、普通なら、彼女に土下座してでも「やりなおすことはできない」と謝って、あなたと付き合う。傷つくのも傷つけるのもイヤというのは、優しさではない。彼女にもあなたにも調子のいいことを言いながら、結局、彼は彼女との溝を埋めている。

 一方、あなたも彼の気持ちに真実を感じ、自分にとってかけがえのない人だと確信したのなら、 何で「彼女と別れてくれ」って言わないの? 聞けなかったお互いの気持ちがわかって、本気でこの人と結婚したいと思ったら、なりふりなんか構っていられない。彼もあなたを選び、あなたも彼を選んだら、彼女はどうがんばったって恋愛の敗者になるしかないのよ。たとえ、そのことで彼女が深く傷つこうと、もしかしてショックのあまり廃人になったとしても、それでも愛を成就させるなら、それは誰も責めることはできない。

 でも、あなたも彼も、どっちも愛を貫く道を選ぼうとしない。どうしてなんだろうね。あなたが取り返しのつかないことをしたと悲しみ、悔やんでいるのは、彼を失ったということより、 もっと早く言っておけばよかったということなのかな。もっと早く言っておけば違う結論になっていたのにという、失われた結論への未練。

 でもね、早く言えなかった自分がいたんだよね。

 言えなかったということは、 言わずにいられないという深まりがなかったってことで、言わなかったことがあなたの出した結論だったわけよ。買おうかなと迷っていて、買う決断がつかなかった洋服を、誰かが買ってしまうと、いきなりとっても欲しかったような気になって、すごく悔やむでしょ。 なんかそれに似ている気もするよ。 買う決断がつかなかったということは、飛びつくだけの価値はないけど、あきらめるのはもったいないかなという程度のものだったともいえる。

 何もできなかったということも、 見方を変えれば、何もしないということを選んだということになる。だから、自分の選んだ道を後悔して、そこに止まって泣いてばかりいたら、 先にある幸運にも巡り合えないよ。間違いだったとわかったら自分で間違いではなくするか、間違いから何かを学んで次に失敗を繰り返さないようにするかしかない。

 こうしていれば……ああだったら……と、タラだのレバだの嘆いている時間は、実に不毛でもったいないし、あなたの魅力を損なわせるよ。

 過去にいつまでもこだわらず、未来を怖れず! まだ34歳じゃない。