No.213
出産が間近だというのに、夫の心は若い女の子の元へ…。
私のほうを向かせることは可能でしょうか?
M・Uさん(29歳) 夫 子ども 夫の両親
2006.1.25

 夫が会社の女の子と親密になりつつあります。それを初めて知ったのは11月の下旬、夫の携帯がたまたま置いてあったので、見てしまいました。いかにも若い女性という言い方で、「どんどん好きになっていく」という内容でした。仕事で一緒になることも多いようで、仕事が終わった後に会ったりしているようです。夫の送信履歴がないので、一方的な彼女の片思いか?と思いましたが、夫が休みで私が仕事のとき、ドライブに誘っていました。内容は「どうせ暇だろ?」という感じでしたが、実際に行っていたのかはわかりません。ただ、私が帰宅する前に友達と遊んでくるというメールが入っていて、その日の帰宅は午前0時くらいでした。肉体関係まではわかりませんが、これからそうなる可能性はあると思いますし、すでにあるのかもしれません。その女の子も純粋なひたむきなメールを送ってきていますし、夫はそれを心の支えにしているのか、ただ話を聞いてくれる存在なのか、恋をしているのか、今は知ることができません。

 こうなる前、ずっと私たち意見の食い違いがあるとけんかばかりで、お互い自分の言い分をぶつけ合っている夫婦でした。私は、夫に対しての限界(これ以上は許せない)というようなラインが知りたい、また、お互いを理解しあいたいという思いからでした。ですが、夫は私が大声で主張することが精神的につらかったらしいです。私も早く気づけばよかったと後悔しています。私も、夫が自分の意見ばかりを主張してくることに我慢できずに、実家に帰ったこともたびたびありました。そして8月頃にはとうとう離婚したほうがいいのではないかとの話までなりました。でも私は、夫に愛情を感じないと思っていたのにどうしても別れられず、また戻ったのです。
 自分でも本当に遅いし馬鹿だと思いますが、その女性からのメールをみて「絶対に失くしたくない。私はこの人を愛している」という気持ちに気づいたのでした。メールをみて親密になっていることを私は知っていますが、それを夫は知りません。夫とは現在は肉体関係はありません。最後に誘われたのは11月のはじめ頃だったと思います。今私は妊娠中ですが、それを抜きにしても、夫は明らかに私を避けています。問いただしても、ただ浮気はしていない、友達はいるけどという返事でした。
 私は夫とは別れたくありません。夫が戻ってくれるならと思い、今は家事を手抜きしないよう、最大限の努力はしています。夫のほうは「気持ちが今はない。戻るには時間がかかる。お前がここにいたいというのに、俺に追い出す権利はないから、いてもいい」との答えです。時間をかければまた、私に向いてくるかもとは思いますが、でも、このまま彼女と親密に恋をしているのなら、夫の性格上、なかなか難しいのではないかなと思います。
 夫婦の話し合いをしようとしても今は俺に求めるなというし、しつこくすると切れてしまうので、今は夫をそっとしています。彼女とのやり取りが始まる前は、軽いうつ状態にあったと思います。私も夫を愛しているので毎日苦しく、春の出産まで、自分の身が持つのか心配です。今は、友達に話すことで何とか精神的な苦痛を乗り切っています。
 これから夫は私の元に戻ると思いますか? 私はどういう行動をとればいいですか? 何でもけっこうですので、どうかご意見をください。
 
泣いてすがっても戻ってきませんよ。
彼が自分から戻りたくなるような状態を作り出すようがんばって!
 “孝行したい時には親はなし”っていう諺があるけど、人間って、当たり前のようにそこにあるうちは、そのありがたさも優しさも自分にとってどれだけ重い存在なのかも、なかなかわからないものなんだよね。失ってみて初めてわかる。

 でも、あなたの場合、まだ失っていない。失いそうだけど、まだもう一度新しく、前よりもいい関係を再構築できる可能性は十分あるんじゃないかなと思うよ。

 あなたは、 今、とても苦しい状況に置かれていて、悲しかったり、不安だったり、後悔の念にさいなまされたり、心が穏やかじゃないはず。パニックに陥って、ただ相手を責めていてもおかしくないのに、なぜこのような事態になってしまったのか、自らの反省も含めてとっても冷静に客観的に振り返っているよね。お互いの言い分を言い合うことはしても、 相手の言い分に耳を傾けることをしてこなかったこと。 そのことが夫を精神的に追い詰めてしまったこと。その延長線上に、会社の女の子に気持ちが向きつつある夫がいること。

 そして、自分が本当に求めているものに気がついた。失ってしまうかもしれないという事態が、 リアリティーを持って目の前に迫ってきた時、 はっきり失いたくないし愛しているのだということがわかった。 つまり、 あなたの目指す方向は明確なんだよね。 どうしたらいいのかわからないのではなく、はっきり答えは出ている。夫を取り戻すこと。夫の気持ちを再びあなたの方に向かわせること。長い時間かけてジワジワと閉ざされてしまった門を開くのは、 そう簡単なことではないけど、 不可能でもないと思う。

 きっとあなたは、夫との関係に何か確かな手ごたえをつかみたかったんだね。そしてふたりの関係が磐石であることに安心したい。 それができて、夫婦の理想の形ができあがると思い込んでいたのかな。理想の形というのは、100組の夫婦がいれば100通りあるようなものでね。理想を求めて、その方向に進むための地図をまず作成して、ふたりで心をぴったり合わせて生活していくなんてものじゃないんだと私は思う。ケンカしたり、時にはお互いを疎ましく思ったり、優しい気持ちになれなかったり、瞬間的にとっても幸せを感じたりしながら、年月をかけて出来上がってくるものがその夫婦の理想の形なんじゃないかしら。

 そういう意味では、今のこの状況だって、20年、30年後に出来上がるふたりの夫婦像に織り込まれる模様のひとつなんだよね。

 そう思って、まず気持ちを楽にしてほしい。気楽な状態じゃないのに気楽になれっていわれても冗談じゃないって思うかもしれないけど、 あなたにとってラッキーな要素がけっこうあるもの。

 ひとつは相手の女性が、 夫の会社の女の子ってことだね。 毎日会社で顔を合わすから、関係がどんどん進んでしまうような気がするけど、どっちにブレーキがかかるかというと男性の方だよ。 若い女の子から慕われて、 あなたとの生活がけんかばかりで楽しくなかったから、何度か気持ちも動いたかもしれないけど、中途半端に露見した時のダメージは、圧倒的に夫の方が大きい。それは十分にわかっているはずだから、 セーブするしかない。 下手すると、職場での立場、仕事、家庭すべて失うことになりかねないからね。

 もうひとつは、あなたが今妊娠中だってこと。夫の子供だもの。新しい家族が増えるわけで、夫をつなぎとめるに十分な綱だと思うよ。

「俺に追い出す権利はないからここにいていい」というのも、夫の今の気持ち、つまり新しい恋に突っ走る気はないってことを物語っているよね。だって、夫の両親と同居しているんでしょ。権利がどうのこうのという問題じゃなく、追い出したいとまではまだ思っていないってこと。むしろ、結婚した頃の気持ちに戻りたいと思っているように感じられる。

 こんな時、 ウジウジしていたり、メソメソしていたり、 くよくよしていたら、絶対にダメ。ああ、やっぱり無理だ。もう昔のようには戻れない。こんな面白くない生活を続けるくらいならいっそ新しい恋に走ろうか。結局、彼女の方に夫の背中を押してあげるようなものだからね。あなたは、はっきりと別れたくないと思っているんだから、別れないにはどうしたらいいのかという戦略をたててかかれるはず。

 ここは勝負どころだよ。落ち込んでいる場合じゃないよ。

 もしあなたが夫だったらという視点で考えてみな。こんな態度で迎えられたらイヤになるだろうなあと想像されることはしない。 こんな妻の姿を見たら別れられないなと思うことをする。やっぱり、家に帰ると穏やかな気分になれる。あれっ、妻は変わったな。いつもなら「これはどういうことなのよっ!」と問い詰めるはずなのに、楽しい話題を提供してくれる。こういう一面があったのか! と新発見をさせる。

 それが、どうしてもできなかったら、子供のこととか犬のこととかでもいいじゃない。飼っているなら利用したらどうかな。ペット一匹で、会話がイヤでも成立するし、そこでの会話はおおむねほのぼのしている。ペットはかすがいと言われる所以。夫の両親との関係を、これまで以上に蜜にして、いざというときの味方にしておくのも手かもしれないね。

 つまり、離れようとしている人の心を戻すのは、戻ってと懇願したり、戻らなければならない道理を強調しても逆効果。戻りたくなる状態を作り上げた時、戻りたくなる。少なくても、捨ててしまうのはもったいなくなる。切り捨てて得るものと、失うものを、もう一回考え直すようになる。大体、人は戻ってほしい時に、金輪際戻りたくないような状況を作っちゃうのよね。暗い家庭、重い話題、きつい言葉、悲しげな目つき……etc

 相手が会話に乗ってこなくても、「今日、こんな面白いことがあったんだよ」「今日、子供がこんなことが出来たんだよ」と明るい話をしばらくは一方的に続けていたらいい。 ブスッとしているのを想定内に入れておけば、そのことに傷つかない。そのうち、反応してくるようになるから。

 戻るか戻らないかは、あなた次第。「よっしゃ。いくでぇ」と気合入れて、鏡の前で顔の筋トレして作戦開始。反応が期待ハズレでも、めげない。 期待するからめげるんだから、 最初から期待なんかしない。自ら重いコートを脱ぎたくなるには暖めるのが一番だからね。