No.237
結婚後変わってしまった夫に失望、相談相手の同僚と愛し合うように……。
離婚を申し入れたのに拒否され、迷っています
Y・Tさん(26歳) 夫
2006.7.12
 結婚して1年半になります。今の主人とは社内恋愛の末、2年の交際期間を経て結婚しました。結婚を機に私は退職し、今の会社に転職しました。今の会社は入社時、とても小さな会社でしたが、私が入社したころから急成長をはじめ、私も終電でも帰れない日が珍しくないほど、働いていました。労働時間についてはつらい部分もありましたが、私はもともと非常に働く意欲が強く、前職からそうでしたので、そういう私を主人も分かってくれていましたので、さほど気にはしていませんでした。
 ただ結婚後この半年くらいで、主人に婚前と変わったと思われる節が出てきました。私の仕事の話を聞くのを嫌がるようになり、以前のように手をつないで歩いてくれなくなりました。結婚して1年、こんなものなのかなと思いつつ、やはり寂しく思い、そういう感情を会社の同僚と飲みに行くことなどで晴らしていました。そんな折、会社での過剰労務がたたり、トラブルが勃発しました。そのときも、主人は私の話をまじめに聞こうとはしませんでした。主人が取り合ってくれなかったから、だとは思いませんが、わたしは以前より仕事の相談をよくしていた同僚に、この時期、すっかり依存してしまいました。
 同僚は私以上にこのトラブルの解決に力を貸してくれましたし、精神的にもフォローしてくれました。飲みに行っても女扱いしてくれました。結婚して1年半、主人があんなだし、結婚したために昔からの男友達と会う機会もすっかりなくなっていた私には、正直、非常に新鮮でした。同僚にはすごく惹かれていましたが、私自身、結婚しているし、どうこうできるものでもないと思っていましたが、同僚に告白されました。びっくりしましたが、結婚しているのを分かっていながらも、それでも好きだと言ってくれた同僚に対し、私はとても拒めませんでした。
 その後、同僚とは会いながら、夫と別れてほしいといわれ続けていましたが、私自身、親のことや社会のことも考えてしまい、いきなり離婚というものを考えることはできませんでした。ところが、彼と会うようになって2か月くらい経った頃、自分の不注意から主人に携帯のメールを見られ、すべてばれてしまいました。
 別れてほしいと言った私に、主人は絶対に別れないと言っています。今、私は実家に帰ってきています。こうなる以前の主人への不満に対しては、主人は驚くくらい詫びてくれています。結婚して怠慢になっていた、私への気持ちは変わっていない、自分が悪かった、もう一度やり直してほしいと平謝りです。そういう主人に、申し訳ないと思う気持ちがわいてくるものの、やはり同僚が好きなのです。
 主人と結婚するとき、主人ほど私を愛してくれる人も、私が主人ほど愛する人もいないだろうと思っていました。でも同僚は、それをあっさり抜いてしまいました。私のことを何より大事に思ってくれていて、何を失っても私が必要だといってくれています。そして私も、彼のことが好きで、彼のそばにいる自分が何より好きなのです。主人への不満など、取るに足らないことだということは重々承知しています。主人が嫌いになったわけでもありません。今でも大切な人だとは思っています。ただ確実に、愛している人ではなくなってしまいました。
 離婚したいのは、ただのわたしのわがままなのです。でもそれでも、同僚が好きで、この感情を押し殺して主人の元に戻っても、私は不幸になると思っているわけではありません。でも、もう二度と女でいられないのだろうと思ってしまいます。こんな理由で離婚を考える私はおかしいのでしょうか? 結婚した責任から、我慢して主人の元へ戻るべきなのでしょうか? 結婚とはいったい何なのでしょう? どうかアドバイスのほど、よろしくお願いいたします。
 
二つの分かれ道があるときは、無理やりひとつを選ばないこと。
とことんその道の前で迷ってみることをお勧めします
 お互いがこれ以上愛する人とは今後出会わないだろうと思って結婚した時は、きっとふたりとも幸せいっぱいだったんでしょうね。これから将来一緒に過ごしたいとお互い強く思っていたんだろうにね。

 でも、 どんなにその時に幸せでも、 男女は所詮他人だからね。長い間、生活をともにして年季が入ってきて、子供という他人をつなぐ確かな橋ができると家族という他人以上の関係に進むのだろうけど、 新婚一年半というのは微妙な時期だね。 結婚して恋愛時代のような緊張感はなくなるけれど、家族としての絆はまだ十分ではない。

 しかも、24時間一緒に生活することで、お互いのこれまで見えなかった部分も見えてくる。結婚前には予想もしなかったお互いの顔を知ってしまう。見せている方は、見せているという気もないのに、見せられた方は驚きとともに重く受け止めてしまったりすることだってある。

 幸せなはずの新婚時代って、実は結婚生活の基盤を整える時期なのかもね。植物で言うなら、水や肥料がたっぷり必要な時期ってことで、 やはり育てていこうという思いが必要なんだと思う。お互いが相手を理解しようとする姿勢があるかどうかが、一番問われる時期ということだね。

 この時期に、どうもあなたがたは、結婚したという事実にドカンとあぐらをかいてしまったんじゃないかな。あなたが忙しくなった。終電でも帰れない日が続くと、家ではすれ違ってしまうよね。遅くまで起きて待っていてくれても困るし、翌日の出勤もあるから先に寝てしまうと、なかなか一緒にいる時間もなくなっちゃう。

 半年ぐらいでご主人が変わったというのは、彼なりのあなたへのメッセージだったんじゃないかしら。やっと話す時間ができると、仕事の話になるのを嫌うというのは、 あなたともっと他の話がしたかった。仕事以外の、バカみたいに笑える話ね。きっと、自分の思い描いていた結婚生活や、あなたとの関係が違っちゃっていたんだろうね。

 面白くないけど、 それを正面から言っても仕事が好きで燃えているあなたはきっと反発するだろうと思うから、飲み込んでしまう。 我慢する。我慢するから、自然にいい顔ができなくなる。素直に手をつなぐことも出来なくなってしまう。そんな変化を、もちろんあなたは気がついて、変だ!と思う。仕事の話をすると嫌うし、手もつながないし、楽しそうにもしていない。それが不満になっていって、こっちもいい顔ができなくなっちゃった。

 夫は我慢することと、つまらなそうにすることで、受け入れようとする気持ちと、あなたに知ってもらいたいという信号を送っていいたのかもね。

 あなたの方は、仕事がたまに早く終っても、もう夫と飲むより同僚と楽しく飲んでる方を選んでしまう。こうなると、お互い平行線のまま、その距離がどんどん開いてしまう。

 夫への不満と寂しさを抱えているところに、仕事のトラブル。ここに登場してくる男性は、一番の儲け役だよね。もしあなたと夫がうまくいっていれば、トラブルの解決に協力してくれてありがとう!だけで終わる手助けだったのに、夫に代わる愛情の対象にまで一気に膨らんでしまった。

 「夫があんなだから……」 「結婚したためにかつてのような自由なつきあいができなくなっていたから……」と言い訳しつつ、 彼が告白できるまでの隙間を作った。でも、夫があんなだから……といっても、 それだけ愛して結婚して、あんな存在になってしまうまで一年半だよ。それは彼だけの問題じゃないんじゃないかな。 あなたとの関係の中で、あんなになっちゃった。ちゃんと向かいあわなかったから、お互い相手に自分をどれだけ認めさせるかばかり求めていたから……。

 もし、あなたと夫の立場がまったく代わっていたらどうだろうか。 結婚したけれど、夫は仕事ばかりで深夜帰宅。夕食も一緒にできない。話すのは仕事のこと。そのうち、同僚女性と親しくなって、好きだから結婚したいと言ったとする。あなたなら、どうする?

 頭に来ない? 冗談じゃないと思わない? 私のどこが悪いのよと腹が立たない?

 でも、夫は、自分に非があったんだと反省して、もう一度やりなおそうと言っている。

 夫と別れるか、 もう一度やりなおしてみるか。 あなたが答えを出すしかないわけだけど、今、実家に帰っているなら、しばらくひとりで考えてみたらどう? 夫と彼とどっちとも等距離を置かないと、何があなたにとって大事なのかみえなくなるからね。

 あなたと結婚したいと迫る同僚男性は、ある意味ではハンデに恵まれた。だって、あなたは仕事のトラブルで困っていて、さらにこんなはずじゃなかったという夫への寂しさを感じていたわけで、最も女が男に対する心のバリアーが低くなっている時だからね。よく乾いている土は、水をどんどん吸い込むからね。彼の告白もどんどん吸い込んでしまったということだってある。水で潤っていたら、吸い込んだかどうか冷静に考えてみないとね。

 離れている間に、夫がどんな姿勢を見せるか。同僚の男性は、どんな態度にでるか。待たされるのは辛いから、本来の姿が出てくる。どちらが、あなたを本当に愛してくれるのか。愛情にもいろいろな色合いがあるからね。静かに見守ってくれる愛情は派手さがないし、激しい愛情は辛抱がなかったりするしね。

 だんだん、自分がどちらの愛情を求めているのか見えてくるよ。ふたつの分かれ道がある時は、その前でとことん迷った方がいい。無理やりひとつの道を選ぶと、うまくいかなかった時に後悔する。そのうち、自分にはこっちの道しかないと思える瞬間が来るから。

 その瞬間って、選ばなかったもうひとつの道に、将来どんな幸せが待っていようと自分はそれに背を向けてでもこちらの道を選びたい!と明確に思える瞬間を言うんじゃないかな。夫と別れて、やがて夫が別の女性と幸せに暮し、あなたが選んだ相手と苦労することになっても構わないと思えた時。夫を選んで、同僚の幸せを喜べる時。迷いは消えて、あなたがどちらかを選択できるんだと思う。思いが熟したら、道はおのずと決まる。それまでは苦しいだろうけど、腹を据えてじっと自分の気持ちも相手の気持ちも見つめるしかないんじゃないかな。